経絡とストレッチ・体操

 東洋医学の経絡の考え方は、太極拳等の武術や、経絡系の体操にも取り入れられている。
医学的には、身体の横方向には脊椎に対応する神経の分節や皮膚分節が存在する。縦方向には解剖学的に明確ではないが、機能的な相関ルートとして、古代から経絡というものが想定されてきた。通常のスポーツ医学にあえてこの考え方を取り入れるメリットは、全身の協調性を高めたり、パワーと応答時間の両立、あるいは身体を内的に傷めないように動くということがあると思われるが、実際のところは自分にはよくわからない。細かい各部の捻りが加わると差が出てくるのかも知れない。

 経絡の説明は、平田内蔵吉氏の著書に詳細な図解入りで示されている。現在でも同内容がほとんどそのままテキストとして使用されていると思う。経絡体操に関するところを調べてみる。

【平田式中心練磨法】(「平田式療術医典 方法篇」)
 以下の説明は、原文の表現をかなり省略、改変している。
(原文の詳細は説明写真とともに、国会図書館のデジタルライブラリーで確認可能である。)

足は肩幅、爪先は直角に開く。
カッコ内は二次的な効果のある経絡である。
①肺経(脾経)・・・息を吸いながら、両手を上に挙げ、息を吐きながら拳を脇に引き付ける。
②大腸経(胃経)・・・息を吸いながら、両手を上に挙げ、吸い終る時に伸ばしきる。
③胃経(大腸経)・・・息を吸いながら、両手を上に挙げ、片足を前に浮かせ、体を後に傾けながら、手足を伸ばす。
④脾経(肺経)・・・①の動作と同時に、片足の腿を高く上げる。
⑤心経(腎経)・・・両手を後方に伸ばし、下方から腰に引き寄せるようにして拳をつくる。(手の平は上向き)
⑥小腸経(膀胱経)・・・両手を後方に伸ばし、顎を引いて重心を爪先に移し、体を反るようにする。
⑦膀胱経(小腸経)・・・両手を後方に伸ばし、片足立ちで上体を90度前方に傾けながら、もう片足を後に伸ばす。
⑧腎経(心経)・・・⑤に近い動作をしながら、片足立ちで上体を90度前方に傾けながら、もう片足の脹脛を後に跳ね上げる。
⑨心包経(肝経)・・・⑩の動作の後、息を吐きながら両拳を握って肩に引き寄せる。
⑩三焦経(胆経)・・・息を吸いながら、両手を横に伸ばしきる。手の平は下に向ける。
⑪胆経(三焦経)・・・上体は⑩の状態で、片足立ちになり、上体を90度横に倒しつつ、もう片足を真横に伸ばす。
⑫肝経(心包経)・・・上体は⑨の状態で、片足立ちになり、もう片足をルの字になるよう跳ね上げる。

「肥田式強健術〈2〉中心力を究める!」では、上記に相当する内容が経絡式中心操練法として再整理され、肥田式強健術とともに収録されている。




【経絡ストレッチ】
ストレッチ刺激と経絡との関係・・・伸ばした箇所の経絡部が刺激されるようだ。

①肺経・大腸経・・・上半身の前面を伸展
②脾経・胃経・・・下肢や体幹の前面を伸展
③任脈・・・①、②の動作と共通
④心経・小腸経・・・上半身の後面を伸展
⑤腎経・膀胱経・・・下半身の後面を伸展
⑥督脈・・・④、⑤の動作と共通
⑦心包経・三焦経・・・上半身の側面を伸展
⑧肝経・胆経・・・下半身の側面を伸展
⑨帯脈・・・⑦、⑧の動作と共通

30動作より成る経絡テストから異常部や疲労部を判断できる。改善のための関連するストレッチ動作をまとめて知ることができる。

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 経絡とリンパとの関係も深いようだ。
手首の曲げ伸ばしや皮膚を擦ったりという簡単な動作で免疫力を高めることができるという。

経絡ストレッチ&リンパマッサージ
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「フィットネス太極拳」には、太極拳24式の各型により刺激される経絡との関係と効能が書かれている。
起勢の動作は、督脈・任脈の流通を高める。軸足の動作は膀胱経を刺激する。

フィットネス太極拳―経絡を刺激して健康!爽快!
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