アイデア作成のツール

 個人・集団の考える思考パターンには癖があるため、新しいことを発想するアイデアも偏りがちになる。
 
 煮詰まった場合の頭の切り替え方法として、偶然できたキーワードの組合せを虚心に眺めて新たな発想を見つけるための発想支援方法やツールがいくつかある。但し、あくまでも補助的方法ではある。

●特許アイデア
 TRIZ(トゥリーズ)というロシア発の特許アイデアの支援方法がある。

 過去の特許データを分析すると、分野が違う発明でも同じようなパターンで改良がなされている。例えば、一部を変形して追加作用を持たせたり、柔構造にして衝撃を吸収したりといったことだ。こういった過去の手法を定石化して、別の分野でも試してみれば、効率的に特許出願ができるのではないかと考えられたのである。

 課題に対して作用や手法のマトリックス表を当てはめて考えたり、支援ソフトを使ったりするが、これに従ったとしてもどんどんアイデアを生み出せるものではない。また特許取得も単なる既存の発明の組合せではダメで、新規性と進歩性を備えたものでなければならない。実際には何人かで話し合ってアイデア出しをした方が良い場合が多い。手法として改良は続けられているものの、無駄な方向に時間をつぶさないように、むしろ簡易化していくように見える。例えば、小人になって装置の中に入っているつもりで考える、といったような単純な方法だ。

 特許に関係しそうなアイデアを考える人であれば、アイデアの分類や発展法則について参考になることもあるので、「トリーズ(TRIZ)の発明原理40」については一応知っておいたほうが良いだろう。特許以外の一般的な事柄であっても考え方自体は発想法として使えると思う。

トリーズ(TRIZ)の発明原理40 あらゆる問題解決に使える[科学的]思考支援ツール
ディスカヴァー・トゥエンティワン
高木芳徳

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 限定の少ないフィクションやファンタジーのような話のアイデアではどうだろうか。推理小説の伏線とか話の時系列の中ででつじつまを合わせることは必要だが、そういった支援ソフトも映画作成の分野では使われているようだ。

●物語におけるアイデアの参考書

・「ストーリーメーカー」&「物語の体操」

 物語のストーリーを考えるトレーニングとして、カードを用いた24個のキーワードを方法が紹介されている。カードにから無作為に6枚選んで配置する。各々のキーワードに役割りを対応付けて、あらすじを肉付けする。
 
 また、プロップという学者がロシアの昔話を分析して、話の内容が31の機能(行動パターン)によって組み立てられていることがわかったという。そういった王道パターンを利用して、新たな話を考える方法も説明されている。

ストーリーメーカー 創作のための物語論 (アスキー新書 84)
アスキー・メディアワークス
大塚 英志

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・「SF思考のすすめ」

 未来予測やシステム思考の方法について、システム工学者兼SF作家である著者ユーベル・クラインシュタイン(日本人のペンネーム)の2つの立場から具体的にまとめられた書である。書かれた時期は古いが、非常に濃い内容がぎっしりと詰まっている。方法論は先のTRIZと通じるところがある。

 中盤からはSF(サイエンスフィクション)に出てくるキーワードをあらかじめ分類することに労力を注いでいる。分析の結果を、社会・生物・地球・技術分野の4群に分け、各々から7個づつのキーワードを選び、合計28個のキーワードに集約した例を示している。

 パソコンを利用して、これらのキーワードを6パターンの生起順序で組み合わせを作り、出力する。これを眺めて、キーワード間のつながりを意味づけて物語を構成する。これに活動領域の広がりや技術展開のシナリオと、登場人物の設定や手段・目的・行為を考え、タイムスケールの調整等を加えて、完成度を上げていく。

 自分でも上記の書で述べられた内容を参考にして、キーワードをエクセルで重複しないようにランダムに組み合せてみた。しかし、キーワードの組合せを見ただけで頭を抱える始末で、ストーリーの作成は本書の鮮やかな例のようにはなかなかできるものではなかった。

SF思考のすすめ―未来を考える楽しみ、さぐる喜び (ブルーバックス 434)
講談社
クライン・ユーベルシュタイン

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●文章の自動作成
・「七度文庫」
 小説自動作成ソフトとして「七度文庫」というものがある。ジャンルは官能ものに限定されている。構成が定型的で扱いやすいという理由がらである。実際に出力した作品を見ると、かなり細かいところまで良くできていると思う。

・「Majigatari 自動図書」
 シュールな童話を作る「Majigatari 自動図書」というものがある。常識ではありえない状況やアイテムの組合せが出てくるのを逆手に取って、シュールな雰囲気の童話を作っている。

 パソコンを使うと、膨大なデータの組合せから多くのキーワードの組合せを扱うことができるが、面白いものかどうかを評価・判定して取り出すことが難しそうだ。
 人があまりやらないことというのは、やらないだけの理由もある。偶然の組合せからは無意味だったり無駄になるものがほとんどだろうからだ。

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